とにかく、此(こ)宿(こ)には違いないので、範宴が門口に寄っ…
「どこまで、水を汲みに行ったのだ?」学頭は、睨みつけていった…
なお仔細に事情を訊くと、弟の朝麿は、梢と逃げてくる旅の途中風…
「はい、私はおたずねの範宴ですが……」 答えながら、彼は、自…
範宴は性善房をさがし、性善房は範宴をさがして、半日を徒労に暮…
どこで行きちがったのか、範宴は性善房とはぐれて、奈良の杉林の…