御本尊をお迎えしたら、「おしょうね入れ」ということをするのですか?

まず、仏事でわからないことがあれば是非ともお付き合いのある(ご縁のある)浄土真宗のお寺さまにご相談をください。

宗派により様々な儀礼や作法がありますので、一番大切な意義や意味を知っておられるのはお寺であり、ご住職さまになります。

近年では様々な情報がテレビやインターネットで簡単に入手できるようになりましたが、確かな情報が伝わりにくいこともありますので、ご注意をいただきたいと思います。

さて、「おしょうね入れ」とは何でしょうか。

他宗では「おしょうね入れ」をすることによって、御本尊やお仏壇に魂が宿るというようです。

では私たちの仏さま(阿弥陀如来・南無阿弥陀仏)はどのような仏さまでしょうか。

「どんな命であっても必ず救う、もしお浄土に生まれることができないのならば決して仏とならない」という誓いをたてられ、すでに仏さまとなられているのが阿弥陀如来(南無阿弥陀仏)の仏さまです。

全ての条件を自らが背負い仏となられた仏さまです。

何の心配もいらないと言ってくださる仏さまがここにいてくださるのです。

世間の迷信や占いを信じてしまい、事あるごとに「あれをしなければ!これをしなければ!」と右往左往し、迷っているのは亡くなられた命ではなく、今生きているこの私であったと気付くのではないでしょうか。

先に亡くなられた大切な方の命も、間違いなくお浄土に生まれ、すでに仏さまとなられているといただくことが大事であり、この私の命も間違いなく仏となる命を「今」いただいているとお聞かせいただくことが肝要です。

私の都合でご本尊に入ったり出たりするような仏さまではないはずです。

お坊さんの声一つでいったりきたりするような仏さまではないのですね。

どんな私であっても、どんなときでも、いつもいつもこの私の命に寄り添ってくれる。

この私の命を共に生きてくださる仏さまです。

ですので、浄土真宗では「おしょうね入れ」ということはしませんが、ご本尊をお迎えしたら「入仏式(にゅうぶつしき)」を行います。

日々生活する中で、ついつい自己中心的なものの見方や考え方をしてしまう私であるけれども、御本尊をお迎えし、その私の姿をお知らせいただく。

亡き方を偲ばせていただく中に、私の命の行く末を聞かせていただく。

大切なことを忘れてしまう私に気付かせていただくことが大切なご縁となるのではないでしょうか。

是非、御本尊をお迎えしたら「入仏式」を行い、命のいわれをお聞きいただきたいと思います。