「みんなの命輝くために」(上旬)さらなる広がりを願う「宗教心」

ご講師:大谷昭宏さん(ジャーナリスト)

前々から私、ジャーナリストという仕事をしていく中で、もう少し日本の社会の中に宗教家の皆さんが前に出てきていただけないかなと思っておりました。

あの未曾有の大災害、東日本大震災の直後に、西本願寺さんは有楽町や築地で、被災者の救済・支援の為にシンポジウムを開催してくださいました。

鹿児島別院さんでも「ハートフル講演会」を開催され、皆様方がお集まりになって、心を一つにしていろんな方々のお話を聞くと、宗教家の方々がこのように大きな社会貢献をしてくださることを大変有り難く思っております。

昨今、いろいろな事件や事故が発生しています。

この連休中にも箱根山の水蒸気爆発が発生しました。

当地でも桜島が今年既に500回以上噴火、過去最高の回数を記録しているとお聞きしています。

昨年9月には、岐阜と長野の県境にある御嶽山(おんたけさん)が爆発して57名の方が亡くなり、6名の方が行方不明のままになっています。

世界の100分の1の面積しかない日本に47の火山があり、世界で発生する地震の26%が日本で起きています。

こんな小さな国が世界の地震の4分の1を頼まれもしないのに引き受けている。

さらに毎年20個近い台風が日本近辺で発生し、そのうち5~6個が上陸しています。

風光明媚で、四季折々の美しい自然に恵まれていながら、一方で私たちは自然災害と隣り合わせで暮らしているわけです。

なのに、こんな自然災害と隣あわせの小さな国が、世界で3番目の経済力を持っているんですね。

国連に加盟しているだけでも190数か国ある中で、3番目の経済力を誇っている。

これは凄いことですよね。

私たちの先祖がこれだけ厳しい国土の中でお互いに助け合い、皆で力を合わせて頑張ってきたからこそだと思うのです。

そして、これからも国民が手をつなぎ、協力しあって生きていかなければならない国土に暮らしているんだと。

こういう社会の中で、皆が共通の思いを持ち、手を繋いでいくためにも、もっと宗教が日々の暮らしの中に根付いてほしい。

宗教家の方々がもう一歩前に出ていただけたらと心から願っているのです。

諸外国に比べて私たちの国の中に足りないもの、それは「宗教心」だと思うのです。

「宗教心」が今の日本の社会の中で更に広がっていけば、もっと良い社会になるであろうと確信しています。