やり直しのきかぬ人生ではあるが 見直すことはできる

 いよいよ今月は「師走」。

今年も残り少なくなって参りました。

一年を振り返るには、まだ少し早い気もしますが、あなたにとって今年はどのような一年だったでしょうか? 年の暮れになりますと、私達は今年一年を振り返ると共に、新たな年に向かっての希望と目標を掲げたりします。

 このように、私達は将来への希望や目標、あるいは心配や不安といったものについて考えることはありますが、「今の私とは?」というような「自己を問う」「自己を省みる」といった「自分の生き方を見つめ直す」ということは案外、見落としがちなのではないでしょうか。

 ところで、最近便利になってきたものの一つにカーナビがあります。

カーナビは目的地までの正確な道筋を教えてくれます。

それと同時に現在地も示してくれます。

目的地に向かう前には、今の私のいる地点と、目的地の双方を確かめることの大切さを教えてくれているように思われます。

 限りある私の人生は、やり直すことはできません。

けれども、仏さまの教えに耳を傾け、その言葉を依りどころとして生きて行こうとする時、迷いのただ中に佇んでいる私の姿(現在地)に気付かされると共に、私のいのちの向かうべき世界とその道のりが明らかになります。