『「悪人」こそが救われるというのは、本当ですか?』

「悪人正機」

という教えは親鸞聖人が明らかにされた教えです。

大無量寿経に説かれた正意、阿弥陀如来の誓願は悪人こそが正機(めあて)であるという教えを明らかにされました。

往生のために何一つ善をなす事のできない、地獄へおちる要因ばかり作ってしまっているこの私こそ救わずにはおれないと手を差しのべてくれるのが阿弥陀様の誓いと願いですとお教え下さっております。

悪人と言いますのは、私たちが思っているような刑法を犯した犯罪者の事ではありません。

ましてや自分以外の悪い人を想定して、ああいう人でも救われるのかと思いがちですが、そうではありません。

聖人のおっしゃっている悪人とはこの私以外の何者でもございません。

往生浄土のために何一つ善根を積む事もできない、罪ばかり作っているこの私を悪人と言われているのです。

朝起きてから夜寝るまであれが欲しい、これが欲しい、あの人がどうだ、この人がどうだ、ああすればよかった、こうすればよかったと、三毒の煩悩(貪欲・瞋恚・愚痴)についばまれている私の姿こそ罪悪深重の凡夫、悪人である。

このような罪深い私ももらさず救って下さる阿弥陀如来の教えに出会えた事を思うと、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と感謝のお念仏を称えずにはおれません。