「希望(けもう)」「希望」という語は漢籍にも用例がありますが、借用後として日本語語彙の中に入ったのは、仏典出自の「希望(けまう)」の方が先でした。古辞書類はいずれも「ケマウ」の形で載せています。それが説話集や仮名法語を介して流布しました。もとはサンスクリット語の「アビラーシャ」の訳で、名利をのぞむことを意味しました。のちにそれが拡大転義して、単に「のぞむ」ことや、未来への明るい見通しなどの意味になり、発音も「希望」に変わりました。「希望します」がそれです。関連記事