食品会社が、生産地や賞味期限などを偽って出荷していたという報道が、後を絶たないようです。
それは何も、食品会社だけに限ったことだけではありませんが、このような問題が頻発するようになると、消費者はいったい何を信じていいのかわからない現状に苦慮せざるを得なくなってしまいます。
「会社の体質に起因する」
と言ってしまえばそれまでのことかも知れませんが、それでは何の解決にもならないでしょう。
むしろそのことは「よくないことだ」とわかっていても、そこで踏みとどまって止めようとしないあり方に問題があるように思います。
おそらく、偽装工作を始めるときには、何らかのうしろめたさを感じる心のくもりはなかったとは言えないでしょう。
けれども、自分かわいさのあまり、利益優先を考えているうちにその感覚も麻痺して、社会的に大きな罪を
犯しているという意識もなくなっていくところに、怖さを感じます。
しかしながら、
「どんなことがあっても道を踏み外さず、常に自分をコントロールできる」
という人は、そんなにいるものではないでしょう。
私自身の胸に手を当てて、振り返ってみても、そのようなことを口に出来る自信はありません。
その一方で、
「どうせ凡夫だから…」
と開き直っている自分に恥ずかしさも覚えます。
「法句経」に
”数千の敵に勝つよりも、自己に勝つ者こそ最上の戦士也”
という言葉があります
智慧という言葉の意味を端的に教えていてくれるような気がします。