BouzMeetsFes(ボウズミーツフェス)

10月17日、西本願寺鹿児島別院を舞台に、BouzMeetsFes(ボウズミーツフェス)というイベントが開催されました。

今年で3年目を迎え、年々定着しつつあるお寺での大きな催しです。

広い境内には様々なカフェやマルシェが軒を連ね、特設ステージではバンドのライブを始めダンスにパフォーマンス、そしてお寺ならではとも言える雅楽の演奏。

また本堂の中では自分で作るオリジナルのお念珠作りやお香に関するコーナーなど、身近に仏教を知るきっかけとなっていただけるようなワークブースも多く開かれ、どれも行列ができるほどの盛況でした。

このフェス開催のベースにあるのが、毎週金曜日午後3時30分よりFM鹿児島でレギュラー放送中の同タイトル「ボウズミーツ」という番組です。

いろんな方をゲストに迎え、僧侶とMCとゲストの3人で会話を進めながら、思ったこと、感じたことなどを気軽に語り合う内容となっており、鹿児島県内でも思いのほか周知されている人気?(笑)の番組です。

年に1度のフェスの中では同番組の公開生放送も行われ、毎回このイベントの一つの目玉にもなっています。

鹿児島別院のホームページから過去に放送された全ての番組も視聴ができますので、もしよろしければアクセスしてみてください。

そのラジオ番組のねらいをそのままに、ちょっと立ち寄ってみようかなと、誰もが身近にお寺を感じていただけるような取り組みがこのBouzMeetsFesです。

僧侶がスタッフとして中心となり、さらにご門徒の方々、またイベントの企画や運営をサポートするプロの方々にも関わっていただきながら、打ち合わせを重ね、広報や情報発信に力を入れつつ、長い準備期間を経てフェス当日を迎えます。

お寺自体への関心、とりわけ若い世代の方々との繋がりが薄れつつある現代において、お寺の存在とは、あるいは「仏教」そのものが、そして僧侶自身が社会や地域の中でどのように関わっていくのか、今我々の直面している危機的課題があります。

そのような中で、このボウズミーツフェスを通じて新たなお寺のあり方、僧侶自身の学びや気付きなど、フェスに協力してくださる多くの皆さま、そして来場者の皆さまと交流を持たせていただく中で、私たち僧侶自身が今後の各寺院での取り組みを考え直したり、僧侶としてのあるべき姿を厳しく見つめたりしていかなければならないと思っています。

まさに「BouzMeets」、出会いを通し、関わりを通し、新たな気付きと行動に私が目覚めていくことであると、私はこのタイトルをそのように受け止めています

18代目中村勘三郎さんの歌舞伎は、「型破り」とよく称されました。

しかしそこに行き着くまでには、基本動作や型の全てを徹底的に体に叩き込み、練習に練習を重ね、その上で現代をよく観察しながら、現代に合った新しい型を作り上げていく努力があり、その姿勢が「型破り」という言葉で称讃されたのでしょう。

基本も何も心得ず、型や土台のない中で好き勝手にしているのは、ただの「形無し」です。

本願寺の今のご門主は、就任にあたり、「ご法義(浄土真宗の教えの要)は、時代や社会が変化しても変わることはありませんが、ご法義の伝え方は、その変化につれて変わっていかねばならないでしょう」と示されました。

受け継がれてきた「伝統」に安定を求めるというのでは決してなく、これからの時代やそれぞれの地域の中で、その変化につれて、いい意味でお寺のイメージを変えていく型破りな努力と、将来を見据え今何をしなければならないのかという意識は、いつも大切に持ち続けていたいと感じています。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。