「終活プームとその背景にあるもの」(中旬) 自分の夢と4つの自立

 人間にとっての「幸せ」というのは「残された時間をどうやって過ごすか」と考えることがとても大事です。

そのためにはまず「自分の夢は何か」ということから考えなければなりません。

何をしたいか分からなければ、本人も周りもどうしようもないのです。

 35年前までは三世代同居が一番多いでした。

ですから、自分が死んだあとのことなんて考えなくてよかったのです。

子どもや孫が一緒に暮らしていますから、孤独死するなんてこともなかったわけです。

でも、この30年間で家族のかたちが変わってきています。

近年、孤独死が大きな社会問題になっています。

今、高齢者の4人に1人が独り暮らし、もしくは夫婦二人暮らしで、合わせると6割を占めます。

 しかし、独り暮らしがかわいそうかというと、そうではありません。

健康で自立できていれば、独り暮らしの高齢者の幸福度はとても高いのです。

 自立には4つありますが、まず1つが「身体的自立」です。

健康寿命という言葉を聞かれたことがあるかと思いますが、人の手を借りずに自立できる期間のことです。

日本人は平均73、74歳くらいで自立が難しくなります。

 次に「精神的自立」です。

先ほど「夢は何ですか」とお尋ねしましたが、残された時間で自分は何をしたいのか、最期のときまでどんな人生を送りたいのかを自身で考えておかなければなりません。

 続いて「経済的自立」です。

年金だけでは生活できないため、貯金を切り崩して生活している方もおられると思いますし、身体が動くうちは働こうと頑張っている方もいらっしゃると思います。

経済的な自立も大変なことです。

 そして「生活的自立」です。

男性はほとんどの方が自分は妻より先に死ぬと思い込んでおられませんか。

それが反対になったらどうしますか。

もしも夫を1人で置いておくのは心配だから夫にもさっさと死んでほしいという方は、かいがいしく世話を焼いて、自分では何もできない夫にしてください。

でも自分が先に死んだあと、残された夫に人生を楽しんでほしいと思う方は、できる限り夫にあれこれ自分でさせるという鬼嫁になっていただきたいと思います。

夫が死んだ後、よく妻はぴんぴんして元気だと言われます。

それは、女性の方が生活的自立能力が高いからです。