伝灯奉告法要

 この度浄土真宗本願寺派のご本山、京都の西本願寺では、第24代即如門主から第25代専如門主へとお代替わりがありました。

このお代替わりを宗門内外に伝えるとともに、宗祖親鸞聖人より脈々と受け継がれてきた法灯(浄土真宗のみ教え)がこれからも多くの方々に広く伝わることを願いとして営まれる法要が「伝灯奉告法要」です。

 少しわかりやすく申しますと、一般寺院における「住職継職法要」と言えばイメージが沸くでしょうか。

本願寺の住職、また浄土真宗本願寺派の門主の職を継ぐということです。

 ご本山では先月10月から来年5月まで、10期80日間、伝灯奉告法要がお勤まりになりますので、どうぞ京都に足をお運びいただきましたらと思います。

また法要期間中は法要の様子もネット中継されます。

法要の日程や詳細については、下記URLを参考になさってください。

http://www.hongwanji.or.jp

 さて、新しいご門主は39歳、伝統仏教教団の中でもまだまだ若い門主の誕生です。

ですが、若いからこその感覚、また子育て真っ最中の父親としても、同世代の考え、若い方々の思いなど、親身に向き合うご門主の姿勢に私も親近感を感じます。

 法要期間中、「伝灯のつどい」といって、ご法要の後にご門主家族とご門徒の皆さまとがふれ合うひと時があります。

その時の様子を私も拝見させていただきましたが、時折、ご門主が幼少の頃の思い出について触れるときがあります。

子どもの頃は乗り物に大変興味があったとお話しされていました。

今まであまりご自身のことについては聞くことがありませんでしたので、そのお人柄が垣間見えたような気がして嬉しく思いました。

 私も子どもの頃は電車の運転手を夢見た時期がありましたし、長距離トラックのドライバーになりたいと思った時期もありました。

あ、一緒なんだな、男の子なら誰もが興味を抱くことに同じように感じておられたのだなと、それ以来何となくぐっと距離が縮まったような気がします。

 ご門主が特に願っていることの一つに、これまでお寺にご縁のない方々へも積極的にアプローチしていくということです。

これまでは、お寺とご門徒という一つの枠組みの中でご縁を深めてきたという一面が強いですが、これからの時代はもうそのような繋がりのみに終始しているようであれば、むしろ衰退の危機と言えるのかもしれません。

門徒とお寺という関係性が崩壊しつつある今、いかに多くの方々に、とりわけ若い世代の方にどのようにご縁を広めていくのか、我々宗門の、そしてそれぞれの地域に生きる僧侶一人ひとりの姿勢が、将来のお寺を左右すると言っても言い過ぎではないように思います。

 ご門主のお手紙の中に、「宗門の英知を結集する必要がある」という言葉の背景にも、そのような危機感が強く滲み出ていることを私自身がまずしっかりと受け止めなければなりません。

私も住職を受け継いでまだまだ歩き出したばかり。

ご門主のお言葉を私なりに味わいつつ、座ってばかりではない坊さんを目指し、ちょろんちょろんといい意味でジッとしていない坊さんの姿を心がけていたいです。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。