まず、最初に確認をしなければならないのは、お仏壇というのは、死んだ人をおまつりするところではなく、阿弥陀さまをご安置するところだということです。
たしかに、亡くなられた方をお仏壇で偲ぶことはあります。
それはこの阿弥陀さまのお浄土へ往生していかれたことを偲ぶという意味があるからです。
しかし、だからといって死者のためにお仏壇をご安置するのではありません。
今、生きている私たちの心の依りどころとしてご安置するのです。
お仏壇をご安置するのは、私たちが、ご本尊の阿弥陀さまを心の拠りどころとして、いつも身近に仰ぎ、阿弥陀さまに導かれながら生活するためです。
人生においては、嬉しいこと・悲しいこと・辛いこと等、さまざまな出来事が起こります。
どんな状況になろうとも、この私をしっかりと支えて、必ずひかりといのち極みなきお浄土へ導いて下さり、心からの安らぎを、さらに勇気と希望と喜びを与えて下さるのが阿弥陀さまです。
その阿弥陀さまをご安置するのがお仏壇なのです。
お仏壇の前で、「合掌」、礼拝をし、お念仏を申すというのは、常日頃からこの私を見守り、支えつづけ、人間の役目を終えていつか力なくしていのち終わっていくその時にこの私を必ずかならず救ってくださる阿弥陀さまに対してお礼を申すという意味になるのです。
家族みんなで、お仏壇の前で合掌・礼拝し、お念仏申し、阿弥陀さまに見守られながら、生かされていることを感謝し、日々の日暮しをさせていただければと思うことです。