年回法要や葬儀・御命日など、僧侶を招いて仏事をつとめる際の表書きは「御布施」とお書きください。
時々、「御礼」とか「読経料」と書かれたものを渡される方もいらっしゃいますが、「御布施」の本来の意味から考えますと、それはあまりふさわしくありません。
「布施」とは仏教の大切な行の一つです。布施行には、仏事のおつとめや法話など仏様の教えを説く「法施」、金銭などの財物を施す「財施」、やさしい言葉で語る、明るい笑顔で接するなどの「無畏施」があります。
また、浄土真宗での布施は、阿弥陀如来のお救いを慶び感謝する報謝の行としての意味があります。
そのことから御布施は、僧侶への報酬(御礼、読経料)としてではなく、如来さまへの報謝として捧げるものだといえます。
また、他家のご法事にお参りしたり、通夜や葬儀に参列したりする場合の表書きは「御仏前」と書きます。この他、「御供」「御香資」「御香典」と書いても構いません。香典や香資は「お香を求めるお金」「お香を供える代わりのお金」と言われています。これは、昔はお供えとして代表的なものが、お香だったことからきています。
「御霊前」と書かれる方もいらっしゃいますが、故人の霊に供えるのでなく、如来さまにお供えするのですから、浄土真宗では「御霊前」という言葉を使用することはありません。