葬儀の際の「かけつけ」とは、どのような意味なのですか?

わたしの住んでいる鹿児島の大隅半島では、お亡くなりになった際にお寺に来られる「かけつけ」というしきたりがあります。「かけつけ」とは、お亡くなりになったことを真っ先に仏様(お寺)に知らせに駆けつけることから転じた言葉だと聞かせていただいております。

一般に「かけつけ」に来られる際は、自治会の方、あるいは親戚の方が必ず二人で来られます。

「なぜ、二人なのだろうか?」と疑問に思っていたところ、「もし一人に何かあっても大丈夫なように二人で行くのだ」と聞かせていただいたことがありました。

今のように、交通や通信網が整備されていない時代にあって、かけつけることは容易ではなかったと思います。そのような中にあって、「何があってもお伝えする」という姿勢が、とても尊いことだと思います。

「かけつけ」に来られますと、お勤めし、通夜・葬儀の段取りや今後の寺院とのつながりなどの話をいたします。

最近は、葬儀社の方がお寺に「かけつけ」に来られることも増えてまいりました。事務的な面で考えれば、何も問題はありません。しかしながら、縁ある方が真っ先に仏様に知らせに駆けつけるという心や、今後のお寺とのつながりといった面での「かけつけ」は、時代が代わっても大切にし続けていただきたいと思います。