2020年6月法話 『一日の大切さは年齢を問わない』(前期)

新型コロナウイルス感染症により、世界中で多くの方がお亡くなりになり、すべての人々が大きな影響を受けておられます。国内でも緊急事態宣言により、イベントなどの中止や開催制限、外出自粛の要請、学校の休校要請などが行われ、多くの人々が影響を受けるとともに、生活が大きく変化しました。

 

「失って気づくことがある」と聞きますが、まさに今回のことを通して、改めて当たり前だと思っていた日常が決してそうではなかったと気づかされることでした。

また、当初は他人事のように捉えていたことが、日に日に感染が拡大していくことにより、すべての人に感染の可能性があり、いつ自分に感染してもおかしくない大きな問題でありました。

 

さて、仏教の教えには「諸行無常」というものがあります。すべてのものは移り変わっていくという真理を表わしています。

あらゆるものが移り変わるということは、当然私も含まれます。移り変わっていく中で一瞬一瞬の「いのち」を生きている私です。分かっていることと思っていましたが、この度のようなことが起こる中で、一日の大切さ・当たり前のように送っていた生活がどんなに有り難いことであったということを痛感することでありました。

 

感染以前の社会や生活に戻ることは難しく、新たな生活様式が求められる現状・・・諸行無常の世の中、諸行無常の「いのち」を生きている私たちが過ごす一日一日の大切さ・・・これは年齢を問わず誰にも言えることでありましょう。