「ペットが亡くなりました、法事をしていただけますか?」

浄土真宗のご法事では、必ず読経があります。

お経は亡くなった方に向けて説かれているという誤解が多く聞かれますが、お経は生きているものに向かって説かれています。

そして、浄土真宗で大事にしているお経の内容は、阿弥陀仏という仏さまのことが説かれています。

ですから、ご法事とは、生きている私たちが、改めて阿弥陀仏という仏さまに出会わせていただく時間であるとも言えます。

それは、深く浄土真宗のみ教えをいただかれている方にとっては、阿弥陀仏へ感謝を申しあげる場となり、はじめて仏法に触れる方にとっては、初めて仏さまと出会う貴重な場となります。

ご法事をさまざまなご縁の折に勤めます。

葬式、中陰、納骨、年忌、お盆といった先立っていかれた方の命のご縁とする、いわゆる悲しみのご縁。

また、仏前初参式、仏前結婚式、仏前成人式などのいわゆる喜びのご縁。

悲しい時には、悲しみを通して阿弥陀仏に出会う。
嬉しい時には、喜びを通して阿弥陀仏に出会う。

どのようなご縁であっても、そこに「情」がある限り、意義のある法事が勤めることができると、私は思っています。

ですから、もし「ペットが亡くなりました。法事をしていただけますか?」とご依頼があれば大切にお勤めさせていただきます。

阿弥陀仏は、人間も動物も生きとし生きるすべてのものの命を哀れみなさって、ともに生きてくださり、お浄土へ生まれさせ、仏にならせるとおっしゃる仏さまです。

ペットを失った大きな悲しみのなかで、阿弥陀仏のお慈悲をいただき、いつか必ず、お互い仏さまとなってお浄土でまた会うことができるねと、また会える世界が恵まれてくる、そんな尊いご法事・阿弥陀仏との出会いとなるはずです。

尚、僧侶によって考え方や法事の勤め方は異なりますので、ご縁のあるお寺さんにご相談されてみてください。