仏壇へのお供え物は、お供えした後はどう扱えばよいですか?

9月になると「秋の彼岸(ひがん)」の時期が近づいてきますので、家の仏壇やお寺やお墓へのお参りのご縁が多くなることかと思います。

そういった際に、お供え物をすることもあるかと思いますが、皆様はどのような物をお供えしたりしますか。

お仏飯にはじまり、お菓子や果物、故人が好きだった物など様々かと思います。

私は、何か物をいただいたりしたときに、お仏壇にお供えをします。

最近は深くは考えませんが、そもそもどうして家のお仏壇などにお供え物をするのでしょうか。

皆さんは考えられたことはありますか。

今お聞かせいただいているのは、お仏壇に飾るお花や食べ物などは、お仏壇の中心におられる阿弥陀様や両脇におられる親鸞聖人・蓮如上人へのお供えであり、決して亡くなられた方や先祖がおなかをすかせたり、喉が渇いたりするからお供えをするのではないと聞かされました。

では、このお供えを阿弥陀様や聖人方が食べたりするのでしょうか。

それもまた違います。

ではお供えをするのはいったいなんのためなのでしょうか。

これは、仏さまへの感謝・敬意として、また日々のいのちの尊さに気づき感じていく機会、ご縁としてお供えをするのです。

お供えをし、お念仏申すことで、私たちを救い、極楽浄土への悟りの道をひらき、往生させるという大いなる誓願をたてられた阿弥陀様への仏徳讃嘆としてお参りし、お供えをしていくのです。

以前の方は、今の私たちよりも、自分が育てたりしたもの、自らで加工や調理したものをお供えすることが多かった気がします。

そういった物をお供えする中で、それまでの自分の日々の仕事や日常を振り返り、様々な支えと力をいただいて、収穫すること、作ることができたことを感じ、その中で私のかけがえのないいのちがあることを気づいていく、そのことに感謝していくのです。

その感謝のご縁にであわせていただいたことを、お参りを、お供えを通して合掌し、お念仏申すことで味わうのです。

お供えを通して、そういったことを感じたら、粗末にせずに仏さまからのお下がりをいただく、ということが大切です。

食べられる物であれば食べて、自らの尊いいのちの糧としていただいていくのです。

食べられない物でしたら、その後大切に使用し、その物によってまた支えられている私のいのち、を想いながら感謝の日々をおくれるようにしていくのです。

仏の縁を通していただいたものを大切にしながら、また大事なことに気づかせていただくご縁をいただいているのだということを忘れずに味わいたいものです。