花をお供えするのは仏さまのお徳を讃え、そのご恩に感謝する気持ちの表れです。
その時花びらを仏さまの方に向けるのではなく、私の方に向けてお供えします。
それは精一杯に限りあるいのちを輝かせて咲いている花を通して、量りなきいのちをもつ仏さまのお慈悲のこころに触れさせていただくということです。
同時に花をお飾りすることによって浄土の美しさを表現するのです。
ロウソクの炎には、2つの面があります。
1つは光です。
周囲を明るく照らす光は仏さまの智慧を象徴すると言われます。
心の奥底までも知り尽くし、深い迷いの闇を隅々まで照らして真実へと向わしめる真実の光明です。
もう1つは熱です。
熱が氷を解かすように、お慈悲の温もりが自己中心なものの見方しかできない私の心の殻を解かして下さいます。
またその炎から休むことなくはたらきかけて下さっている仏さまのお徳を味わい、そのご恩に感謝し念仏申しましょう。
<参考文献>
◎『仏事のイロハ』末本弘然著(本願寺出版社)
◎『門徒もの知り帳』(上・下)野々村智剣著(法蔵館)