『教えを正しく分かりやすくお伝えするために』

お寺やご自宅でのお参りで、おつとめ(読経)が終わると、ご法話(お話)をさせていただいていますが、様々な年代の方々が集まられます。せっかくお参りいただいた方々に、少しでも浄土真宗の教えを分かりやすくお伝えしたいという思いでお話するのですが、「言うは易し、行うは難し」で中々難しいものです。子どもさんや、青年世代、壮年世代、さらに上の世代と様々な年代の方々が集う中で、皆さんに伝わる内容・言葉使いで話をするのは大変だなと常々感じることです。

昨年の暮れに、テレビ番組でドリフターズのコントが放映されており、家族で見ておりました。階段を転げ落ちていき、壁に当たると上からタライが落ちてくる、私が子どもの頃に見ていた定番のコント場面でした。

私は若い頃見ていたので、展開は分かっているのですが、それでも笑ってしまいます。ふと、家族を見ると幼い子ども妻も大笑いで家族一同笑ったことでした。

考えてみると、老若男女みんなで笑えることができることの凄さと素晴らしさ、そして誰でも面白いと分かる笑いを作り上げるために、相当な努力があるのだろうと思うことです。

何かを相手に伝えていくことは容易なことではない。

お釈迦様の言葉で『諸々の事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成しなさい』(大般涅槃経)

常に物事は移り変わり限りあるからこそ、怠ることなく行を続けなさいと言われた有名な言葉が身に染みます。

また、浄土真宗本願寺派の専如ご門主は、『お慈悲の有り難さ尊さを人々に正しくわかりやすくお伝えすることが基本です。そして同時に、仏さまのような執われのない完全に清らかな行いはできなくても、それぞれの場で念仏者の生き方を目指し、精一杯努めさせていただくことが大切です。』(「伝灯奉告法要御満座の消息」より抜粋)と示されました。

浄土真宗の教えを正しく分かりやすくお伝えするために、自らが怠ることなく教えを学び、どうしたら伝わるのかを常に考えて、ご法話をしていきたいと思います。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。