『お盆いのちの絆を思う』

8月になりました。

蝉の鳴く声が、けたたましく聞こえてきます。

ついこの前まで夏が恋しくて仕方なかったのですが、夏になってみますと暑いですね。

日中など、外にも出られないぐらいです。

また、私たち僧侶の衣は、少なくとも3枚は重ね着しますので、より一層夏場は厳しいです。

そう考えていきますと、早く秋になってもらいたいと思うばかりです。

しかし、秋になればなったで

「寒くなってきたな。

もう少し海水浴行きたかったな」

なんて、思うのでしょうね。

欲というのは、いつまでも尽きることがないものです。

では、常夏のハワイの人々って、どのように思われているのでしょうか。

ついつい、私たちは

「常夏」

という響きに憧れを抱いたりするものです。

でも、おそらくハワイの人たちは、何とも思っていないのかも知れませんね。

私たちは、春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来るという生活に慣れ親しんでいます。

そのため、

「早く暖かくならないかな」

「早く涼しくならないかな」

と、思い悩みます。

これが、常夏であるとわかっているならば、なにも悩むことはありません。

だって、ずっと夏なのですから。

つまり、私たちはついつい他と比較して、そして他のものがよく思えてしまいます。

まさしく、

「欲」とは、私たち自身の他との比較によって生み出されるものです。

いかがですか?

この夏、愉しんでおられますか?

私たちが生きているのはまさしく今ここです。

秋に恋い焦がれているばかりでなく、この夏を思いっきり愉しんでください。