「有の頂きである天」の意味です。
「頂点に有る」ではありません。
「有」とは存在の世界。
私たち一切の衆生の住む世界のことで、欲界・色界・無色界に分かれ、総じて三界と称します。
その三界の絶頂にある天、三界の最高の世界を有頂天といいます。
そこはまだ、迷いの世界なのですが、生きとし生けるものの至りうる世界としては最も高い位置にあることから、そこに上り詰めることに譬えて、得意の絶頂にあることを
「有頂天になる」
というようになりました。
この用法は江戸時代からのものですが、明治になると、さらに得意の意味を強調した
「有頂天外」
などの造語もあらわれました。