「世界」

 サンスクリット語の「ロ−カ・ダ−トウ」の訳語です。

「世(ロ−カ)」は元来、仏の世界に対する俗世間、有為転変のこの世を意味し、「界(ダ−トウ)」は禅定(心の安静)の段階を意味します。

 したがって、この世のみならず、三千大千世界や、仏の世界が実在の場となるのも、自分の心のありさまに依ることを示しています。

 後代、中国の解釈では、「世」は過去・現在・未来の時間(遷流)を、「界」は東西南北上下などの方位空間を意味するとされました。