「念仏のうちに千の風」―いのちの尊さ・医学・仏教音楽からー(下旬) 無数のいのちが私一人を支えてくれている

 仏さまは、人の一生はとても不確かなことばかりで、どこでどんな縁があって新しいいのちが生まれるかわからないし、どんなことで死を迎えるかもわからないと教えてくださっています。

特に最近は、殺人事件などいろいろ物騒なことがあって、本当に大変です。

人生の終わりを迎えるときは、無事に死を迎えることは簡単なことではないんですね。

 それでも私は、おばあちゃんが「千の風」のメッセージのように、仏さまになって私を導いてくれていると思い、

「仏さまのおかげで日々を元気に生かされて、本当に有り難いことです。

どんなことがあってもこの辛い山を越え、幸い海を渡ることもできます」

とおばあちゃんに語りかけて毎日を生きています。

 不思議なことですが、

「今日は楽しいね」

と思えば楽しくなりますし、

「今日は疲れた」

と言っていると、やっぱり顔も疲れてきます。

「毎日そんなにきれいにするのは恥ずかしい」

と思われるご年配の女性もいるかもしれませんが、そうではないのです。

 朝起きたままの姿、顔でご主人にあいさつするよりも、ちょっとだけきれいにして

「おはようございます」

と言葉を交わした方が

「あぁ美しいなぁ」

と、お互いにその一日の始まりが楽しいものになると思いませんか。

それが本当の一日の始まりですよ。

 そのように毎日を生きていられるのも、いのちが自分一人のものではなく、お父さんお母さんから引き継がれた尊いいのちだからです。

そして両親にもお父さん、お母さんがいます。

そういうふうに、十世代前までさかのぼりますと、1024人のご先祖から今の私のいのちが成り立っているわけです。

 また、私たちは生まれてから今まで毎日、肉や魚、野菜を食べてきました。

数えられないほど多くのいのちが、私というたった一つのいちのを支えてくれているのです。

ですから、自分のいのちを大切にしなければ、このたくさんのいのちに怒られてしまいます。

 『ハートフル大学』の会員の皆さんが、たくさんの先生のお話から勉強してこられたのは、本当に素晴らしいことだと思います。

私もみなさんを見習って努力しますので、皆さんも頑張って勉強して下さいね。