巷(ちまた)では11月末には衆議院の解散総選挙があるのではと噂されていますが、私的には年内にあってほしくないという思いが強くあります。
何故かというと、毎年次年度予算は通常国会において12月半ばから1月初旬には決定しているのですが、選挙前に予算決定となると、選挙をにらんで国民視点の予算繰りがされることが予想されるからです。
それは、多くの人たちにとって関心の深い社会保障費にも大きく影響してきます。
来年度は、介護報酬の改定も行われることになっています。
この件について、先日から審議会で議論が始まりましたが、テレビ・新聞等によってよく知られている通り、財源の確保が問題となっているようです。
伝え聞くところによると、大まかに3つの案が有力視されているようです。
1つには現在40歳から負担することになっている介護保険の被保険者年齢をそれ以下の年齢に引き下げる案。
2つには福祉目的税とする消費税の増税案。
3つには要支援1.2、要介護1を介護保険からはずすという案です。
どれも大変ですが、特に3案が採用することになった場合、現在サービスを受けている利用者の方が、サービスの縮小や廃止を余儀なくされることになってしまいます。
近年、私が運営に携わっている養護老人ホームの利用者の方々も重度化が進んでいます。
本来は、自立されている方々が入所される施設なのですが、現在は入所者50人中33人の方々が介護認定を受けている状況です。
また、利用されている介護サービスも様々で、その内容も福祉用具のレンタル、デイサービス、デイケア、訪問介護等、多岐にわたりますが、現在これらのサービスを受けておられる方々が、法改正により今後サービスが縮小・廃止されて迷惑されるような状況に陥ることだけは、何とか阻止しなければならないと思っています。
少子・高齢化が年々進行していく社会状況を目の当たりにすると、そろそろ国民が
「低福祉低負担」
でいいのか、あるいは
「高福祉高負担」
を望むのか、どちらを選択するかはっきりと声に出して議論を深めて行く必要がある時期に来ているといえます。
国の財政状況を見ると、
「お金を出さずにサービスばかりを求める」
ことには、既に限界が来ているからです。