精進と聞くと、
「精進料理」
という言葉が頭をよぎるという方が多いかもしれません。
今では、魚虫鳥獣を食べないことの意味合いが強いですが、
「精進」
には宗教的生活を一途に生きるという意味があります。
一途に生きるとは、自分と向き合って生活することだと感じます。
自身を見つめ、自分を知っていく。
言葉では簡単に言えますが、実際の生活を振り返ると中々難しいです。
“他”と比べながらの生活を送っている姿があります。
“あの人はいいなぁ、わたしはどうして…”
“あの人よりは私の方が…”
他を羨み、比べながらの生活。
しかも、自分ではそのことに気づくことが難しいのです。
仏教の教えを聞くことは、鏡を見ることと似ていると言います。
鏡は“私”の外見を写してくれる働きがあります。
仏教の教えを聞くということは“私のあるがままの姿”を気付かせていただくのです。
自分と向き合うことが困難な私が、仏教を通して自らを知っていくことが大切なことなのです。
また、今月の言葉の“なまけずこつこつと”を見ていると、以前、友人に贈られた“頑張らない、でもあきらめない”という言葉を思い出しました。
はじめて聞いたときは何も感じなかったのですが、考えてみると味わい深いなと思います。
頑張らないとは、何もしないのではなく無理をしないことでしょう。
無理をすることなく、あきらめることなく生活を送る。
日常や仕事、学校生活、それぞれの人生の中でなまけることなく自分のできることを、自分のできる範囲で行っていく気持ちを持つことが大事だと思います。
仏教に耳を傾け、自らを知らされ自らと向き合いながら、他と比べることなく無理することなく自分らしい人生を送らせていただきたいものです。