「腕輪念珠」とは、どのようなものですか?

「お念珠」はお寺へお参りする時に欠かせない大切な法具です。

阿弥陀如来さまをつつしんで敬い礼拝するために用います。

形や色、大きさなど様々なものがあり、同じ仏教でも、宗派によって多少の違いもあります。

「腕輪念珠」はお念珠を小さくしたもので、いつでも、どこでも、どんなときでも礼拝できるように作られたものです。

決して、魔除けやお守りではなく、礼拝するための法具です。

本願(南無阿弥陀仏)に出遇ったとき、欲望にまみれた自己中心的な私の姿が見えてきます。

自己中心的で、自分の都合や気持ち一つで、コロコロと心が変わっていってしまう私には、祈祷や占い、お守りが、何の役にも立たないことだと気付かされるはずです。

そんな私が仏となる教えがある。

南無阿弥陀仏のお念仏一つで、往生することができる。

良いことも、悪いことも、どれ一つ抜けても私の人生・命はなりたちません。

だからこそ、この命を精一杯見つめて、生き抜いてほしい。

命終わるとき必ずあなたをお浄土へと生まれさせると誓いをたて、仏となられたのが阿弥陀という仏さまです。

腕輪念珠を常に手にして生活することにより、仏さまはいつも私を呼び続けておられるのだと感じることができるのではないでしょうか。

最近では、お寺で腕輪念珠を作る行事等も増えてきています。

自分の好きな色で作った腕輪念珠もまた、大切な法具となります。

コロコロと転がっていってしまう丸い珠を、自分の手でつなぎ合わせていく作業も、私の心と阿弥陀さまがしっかりと繋がっているのだとあじわうことができるのではないでしょうか。