西本願寺鹿児島教区には、「鹿児島雅友会」(以下雅友会)という組織があります。
雅友会とは鹿児島教区の浄土真宗僧侶の中で雅楽を演奏する有志の集まりで、現在50名ほどの会員がおり、私もそこに在籍させていただいております。
主な活動といたしましては、鹿児島別院における春・秋の永代経法要、報恩講法要での奏楽、依頼があれば県内各地の寺院での法要においての奏楽、鹿児島別院・教区主催のイベント、近年は東北の被災地で、3月11日の追悼法要での奏楽、炊き出しのお手伝いなどを継続的に行っております。
またその他に、10年ほど前から鹿児島県内の学校を回り、多くの子ども達に雅楽に、仏教にふれてもらうための活動もしております。
先日、その活動の一環として南さつま市立坊津学園に赴き、「雅楽&ハープ鑑賞会」を開催いたしました。
坊津学園は小・中一貫校であり、全校生徒約160名、保護者並びに地域の方々約30名の前で演奏をさせていただきました。
今回は雅友会から9名、特別ゲストとして鹿児島市在住のハープ奏者の方を迎え、雅楽演奏と雅楽についての説明、ハープ演奏とハープについての説明、雅楽とハープの共演による演奏4曲、楽器の体験コーナーという内容で、80分程の時間で行いました。
雅友会にとっても雅楽以外の楽器との共演は今回が初めてでありましたが、雅楽とハープの音色を子ども達も楽しんでくれたようです。
ここで一部ではありますが、後日学校からいただいた子どもたちの感想を紹介したいと思います。
「今回雅楽を聞いて、とてもリズムが良く、音が大きく迫力があってすごいなあと思いました」
「ハープと一緒に「ビリーブ」が歌えてとてもうれしかった」
「雅楽いうと、難しく、近よりがたいでしたが、今日でそのイメージは大きく変わりました。とてもかっこ良かったです」
「ハープと笙を体験しましたが、笙はすっても吹いても音が出るし、みよーんという音がとても好きになりました。ハープはとてもきれいな音がしてプロの気分になれました」
「ハープと雅楽とのコラボなんてできるのかと思っていたけど、きれいに合っていて、音楽も国なんて関係ないんだなと思いました」
「雅楽とハープのコラボは想像以上にきれいで、ハープにつつまれているような心地よさがありました」
などなど………。
私たち雅友会も今回のハープと出会いを通して、新たな雅楽の魅力に気付かされました。
互いの音をよく聞き合い、尊敬し合っていくところに、お互いの魅力やすばらしさがあらためて感じられてくると思います。
今回の子ども達も感じてくれたように、これは何も音楽の世界だけの話ではありません。
ただ、自分の主義主張のみを言い合うだけではいつまで経っても平行線のままで、不協和音でしかありません。
お互いの立場の違いを越えて、共に話し合い、聞き合う対話を大切に重ねていくことによりはじめて人が人を尊敬し合える世界がひらかれてくると思います。
それが、仏教の目指しているところでもあり、私たちにとって大切にしなければならない事だと思います。
子ども達のこれからの人生が、そのようなすばらしい人生であって欲しい・・・、そんな願いを持って演奏をさせていだだいております。