アフガンに命の水を(後期)今後の文明発展の条件は「人間と自然が仲良くすること」

かつて何もない砂漠だったところが緑豊かな森に広がっていく状況に、改めて私たちは自然が与えてくれる恵みの偉大さに驚きました。

砂漠といっても痩せた砂地だけではなくて田植えができ、収穫ができる。

穀物だけではなく野菜、果物ができる。

水があれば何でもできると現地の人は言いましたが本当にその通りだと思います。

今、私たちが危惧するのは地球温暖化です。

温暖化により干ばつになると、みんな食べられなくなります。

そのために良くない仕事に手を出したりします。

内乱や爆破事件の主役の傭兵です。

家族を養うため自分を犠牲にして兵として働く人が増え、戦が激しさを増します。

元凶は食べられないということです。

私は敵味方を問わず「戦よりも食料自給、進行する干ばつ対策」と訴えています。

アフガニスタンの温暖化は他の地域の約2倍のスピードで進行しています。

山の雪が温暖化により春先から夏にかけていっせいに溶けて洪水が起き、洪水が起きた後は川の水位が下がり、水を取り込めません。

鉄砲水は増え、鉄砲水が地表を通過すると、地下に染み込むゆとりがないために地下水が枯れていきます。

農地の砂漠化が深刻なため、私たちは技術改善を急ぎ、現地に適した取水設備を隣接地域へ、2010年から用水路の建設と並行して進めてきました。

日本の伝統的な治水技術を応用し、電力ではなく伝動で動かす方式が現地において大きな力になっています。

現在、インダス川支流の大河川沿いの9つの取水堰ができ、さらに改良を続けています。

粘り強く現地の人と協力を続け、15年の間に熟練工も育ち、近隣地区にも広めています。

今年2月、中央政府からも協力を申し出てきました。

この日本方式をアフガニスタンのスタンダードとして採用しようという動きです。

私がこの30数年間働いてきて思うのは、人間と自然の関係です。

私たちがよかれと思って開発してきた便利な文明の利器が温暖化という形で私たちのところに跳ね返ってきています。

アフガニスタンだけの問題ではないと思います。

人間同士が仲良くするのはもちろん、人間と自然が仲良くすることが今後の文明のひとつの条件になると思います。

いかに我々が自然と折り合っていくか、切実に考えたいと思います。