娘がこの春から高校生になりました

娘がこの春から高校生になりました。

思い返せば中学三年生の受験時にドラマがありました。

最後の三者面談を終え、受験校も確定した12月。

何事もなく親の願い通りに行ってくれるだろう、あとは体調管理が母親の勤めと思っていた時です。

「私立高校に行きたい!
今まで自分の意見を言えなかった」

と、突然娘が言い出したのです。

「まさかここに来て…」と思いましたが、それと同時に「よくぞ今胸の内を聞かせてくれた!」とも思いました。

失敗しようが“自分で決めた道”を尊重したかった私は「分かった。それならもっといろいろと調べてみよう」と答え、それから主人、学校、塾、友人、ネット…、あらゆるところに相談したり情報を得ることに努めました。

けれども、相談すればするほど、聞けば聞くほど、見解は人それぞれ。

ますます迷ってしまったのです。

もう一度娘と話し合い、「どうしても私立に行きたいのか」と尋ねました。

彼女の気持ちは変わらず、結局希望した学校を受験することになりましたが、その際「入試の結果、奨学生に選ばれなければ公立を受験すること」という条件をつけました。

結果、彼女は自分の意志を貫き、入学式では代表であいさつをさせていただきました。

これで一安心。

「高校に行ったら、自分で決めた道だから迷いなく行くだろう」と思っていたのですが、ゴールデンウイークあたりまでは慣れない生活と友人関係に悩み「やっぱりあっちに行っていたら良かったな」と、弱音をはいたりしていました。

けれども、悩みながらも最後には「自分で決めた道だから…、楽しめるかどうかも自分の心次第だよね」という答えを導き出しました。

そこから前向きになれたようで、6月に入ってやっと「楽しい!」という言葉が聞かれるようになの、高校生活を楽しんでくれるようになりました。

  • 「乳児はしっかり肌を離すな」
  • 「幼児は肌を離せ手を離すな」
  • 「少年は手を離せ目を離すな」
  • 「青年は目を離せ心を離すな」

という四つの言葉は「子育ての教訓」として有名です。

これまで、母が伝えてくれたこの言葉を胸に子育てをしてきましたが、いま「少年~青年の難しい時期」に来ています。

あとは子どもを信じて、あえて目を離す。

今までの子育ての結果がそこに出てくるわけですから、親としては正直とても怖いです。

子育ての最終ゴールは精神的自立、経済的自立です。

それは、まだあと数年先のことになるのでしょうが、だんだか親の手を離れていくことを喜びながら、その日を目指していきたいと思います。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。