「私の出逢った子どもたち」(後期)友情のレポーター

私たちの取り組みの一つに「友情のレポーター」というものがあります。11歳から15歳までの日本の子どもたちをアジアの各国に派遣して、現地の同じ歳の子どもたちと触れ合い、そこで感じたことをレポートしてもらうというものです。

現地に行った日本の子どもたちは、悪臭が鼻をつんざくゴミの山で、生活のために学校にも行かずに利用できるものを探し出し、わずかなお金に換えるという生活を強いられている同年代の子どもたちを目の当たりにしました。過去にはゴミ山が崩れて大勢の子どもたちが亡くなったことを知り、ゴミの中で命を終える子どもたちがいるという想像を絶する現実に涙が止まらなかったそうです。行方不明になっている妹を探すためにバスターミナルで生活している女の子や『若者の家』で暮らす兄弟などにもインタビューして、親の育児放棄という現実などを実際に見聞した男の子は、日頃の言動を省みて、帰国後真っ先に家族に謝ったそうです。子どもが同じ高さの目線で間近に見た悲惨な現実は「見てしまうと、もう見なかったことにはできない」とレポーターの一人が言っていました。

共に成長するために

私たち『国境なき子どもたち』のモットーにしていることは「共に成長するために」です。私たちが一方的に何かをしてあげるのではありません。向こうからもいろいろなものをもらうなど、子どもたちもいろんなものをお互いにやり取りをして、身も心も成長していくということを大切にしています。