児童クラブではたらいてみませんか?

「放課後児童クラブ」(いわゆる学童保育)は、お仕事などのため、昼間に子どもをみることができない家庭の小学生に安全で安心できる場を提供し、支援する児童福祉施設です。

児童クラブの一日は、学校から帰ってきた小学生の受け入れからはじまります。私が代表を務める児童クラブでは、安心できる家庭的な雰囲気の中で保育していきたいとの方針から、職員は「おかえりなさい」と声をかけます。すると「ただいま~。あーあ、疲れたぁ」とまるで仕事から帰ってきたお父さんのようにへたりこむ子どももいれば、「ただいま!ねぇ聞いて!○○くんが帰りにこんなことしてました」と早速、下校時のトラブルを報告してくる子どももいます。

先日はこんなことがありました。ドッジボールをしているときのことです。ももちゃん(仮名)という女の子が泣いてしまいました。聞けば、「私がボールを当てられたとき、みそらちゃん(仮名)が私を笑った」というのです。そこでみそらちゃんに話を聞くと、ドッジボールが楽しくて、気分が高揚して笑ったのであって、ももちゃんを笑ったのではないとのことでした。勘違いから対立やいさかいを生んでいくときもあります。双方の言い分を聞き、絡んだ糸を解きほぐし、子どもたちの遊びをみまもっていくのが児童クラブの支援員・支援補助員の仕事でもあります。

さらにこんなことも。夏期には児童クラブのプールに入ることができます。ですので、希望するお子さんにはプールの用意をしてもらうようにプリントを事前に配布しました。そしていざ、プールに入ることができる日が来ると、ある保護者からクレームが。。。「用意をしてなかったので、うちの子がプールに入れなかった。プールがあるなんて知らなかった」と。こちらが「事前にプリントで案内したのですが」と言うと、「私はプリントなんか読まない。読んでも理解できない。だからプールのことは知らなかった」と。明らかに理不尽なクレームですね。でも、もしかしたら体調が悪くて、あるいは仕事のストレスなどでプリントを読んでいる余裕がなかったのかもしれません。皆さんなら、どう対応されますか?

子どもたちに向き合い、一緒に遊んでいく中でも、一人一人の感情の機微に気づいていく能力。子どもたちの話をしっかりと聞き、対立や衝突をおさめ調整していく能力。保護者からの意見、要望、クレームに対応していくコミュニケーション能力。これらの能力は何も児童クラブ、ひいては子どもたちを相手にする仕事にのみ特有の能力ではありません。人間社会のあらゆる業種で求められる能力です。つまり、社会人として生きていくための必要な要素の多くを、児童クラブでは実地で学べるのです。

これから社会に出ようとする、学生の皆さん!

学業の合間に、児童クラブではたらいてみませんか?

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。