『友引をなぜ避ける必要があるのでしょうか』

古くからの慣習の一つに、友引の日にお葬儀をしてはいけないと、多くの方が耳にしたことがあるのではないでしょうか。

友引は「友を引く」と書くその文字のイメージから、友引にお葬式をすると亡くなった方が他の誰か(友)を引っ張っていくのではという不安や恐れから、そのように言われるようになりました。

まず友引とは、昔の暦でいう「六曜」の中の一つに出てくる言葉です。先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口という言葉で今でもカレンダーに記載されていたりしますので、例えば結婚式や喜び事は大安の日が好まれるように、その名残や影響は少なからず残っていると思います。

六曜とはいわば日の善し悪しを決める一種の占いとして、中国で用いられていたようです。それが日本に伝わり、今日まで様々な習俗と交わり、変化を重ねながら語られてきました。友引も、そもそも「共引」と書くのが本来であり、日本に入ってきてから共が友と書き換えられ、そのようなイメージに繋がってきたものです。

このように共引の日にお葬儀を避けるのもこの文字の連想からであり、曜日や日の善し悪しに惑わされ人生を右往左往することなく、いただいた命、この一日を大切に生きることを忘れずにいたいものです。