ご法事に関連してご門徒の方々から様々な質問を受けます。その中でも特に多い質問が、「複数の故人のご法事を併修してもいいですか」という声です。
私の願いとしては、ご法事はできうる限り、お一人おひとり別々で勤めていただきたいと思うのです。
1周忌、3回忌まではきちんと勤められる場合が多いですが、年が経ってくると併修することが増えてくるように感じられます。親の法事を勤めるから、祖父母の法事も一緒にという場合もあります。これは、なんだかついでに勤めるという感じがして、なんとも寂しい気がします。
ご法事は、私たち自身が仏さまの教えを聞いてわがいのちのありようをみつめ、そして亡き方のご遺徳を静かに偲ばせていただくご縁です。ですから、2、3人も一緒にというわけにはいかないのではないかと思うのです。
しかしながら、同じ年の近い月に、次々にご法事が続く場合や家族が遠くに離れていてなかなか頻繁には集まれない等、様々な理由で、やむを得ず併修してご法事を勤める場合は、併修したご法事の日以外の故人の祥月命日の日にも、せめてもご家族だけでもお参りいただく機会をもっていただければありがたいと思うことです。