跡継ぎがいない場合、お墓や納骨壇はどうなるのでしょうか。

後継ぎがいないお墓や納骨壇について、頭を抱える人は多いのではないかと思います。

一昔前、お墓や納骨壇は、家単位で継承されておりました。しかし時代が変わり、格家族化などが進み、家単位でお墓や納骨壇の継承というのが難しくなってきました。私もご門徒さんから「自分の代まではお墓や納骨壇を御守り出来るけど、子供や孫の世代までそれを継承できない」という事をお聞きします。

後継ぎがいない場合のお墓や納骨壇については、俗にいう無縁仏となって、誰にもみられることないまま何年、下手をすれば何十年と放置されることになります。お墓参りをされた際に、管理がなされていないお墓を見た事があるのではないかと思います。寺院側としては、それだけは避けて頂きたく思います。お墓や納骨壇の管理者の方は、自分の代で管理が難しくなると判断出来る場合は、寺院や霊園関係者に相談して頂ければと思います。今はそういった管理が難しくなった方への対応が用意されています。自坊においては、後継者がいない場合、永代供養(合葬)を紹介させて頂いております。永代供養とは、後継ぎがいない、管理が出来ないという方に対して、お骨を寺院が代行して管理していくというものです。寺院が存続する限り、そのお骨は同じように後継ぎがいない方々とご一緒に納骨をさせて頂きます。自坊の場合は、お骨のまま管理させて頂きますが、場所によっては、桜や紅葉などの根元に埋葬する樹木葬や海にまく海洋散骨もあるとお聞きしております。ご利用される場合は、確認してしっかりと検討するのが宜しいかと思います。

そして、お墓や納骨壇について、先に往かれた方が悲しまれるのではないかと、罪悪感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。確かに、お墓や納骨壇のご縁が失われるのは大変寂しくあります。ですので、お骨を取り出す際にお墓や納骨壇に対して最後のお勤めをして頂ければと思います。長い間、自分たちを仏法へ導いて下さった、そのはたらきに手を合わせて頂ければ大変に有り難いことではないかと思います。