仏さまとよばれる方はたくさんいらっしゃいますが、浄土真宗では阿弥陀仏という仏さまを大切にします。その仏さまは「すべての命を必ずお浄土というところに生まれさせ、仏にならせる」とお誓いくださいましたから、このお誓いを喜ぶ浄土真宗は、先立たれた方を浄土へ生まれて仏になられたのだと受け止めることができますし、自分もまた命終わったら浄土へ生まれさせてもらって仏にならせてもらうのだと受け止めることができます。
そして、阿弥陀仏や仏となられた方々がいらっしゃる浄土をあらわしたものがお仏壇であり、お花やローソクやお香をはじめ様々なものをお供えして大切にさせていただきます。
お仏壇にお茶やお水をお供えしてはいけないのですか?というご質問ですが、浄土へいかれた方の様子が『仏説無量寿経』というお経さまの「眷属荘厳(けんぞくしょうごん)」と呼ばれる箇所に説かれています。
「もし、食事をしたいと思えば、七つの宝でできた器がおのずから目の前に現れる。その金・銀・瑠璃(るり)・蝦蛄(しゃこ)・瑪瑙(めのう)・珊瑚(さんご)・琥珀(こはく)・明月真珠(みょうがつしんじゅ)などのいろいろな器が思いのままに現れて、それにはおのずからさまざまなすばらしい食べものや飲みものがあふれるほどに盛られている。しかしこのような食べものがあっても、実際に食べるものはいない。ただそれを見、香りをかぐだけで、食べ終えたと感じ、おのずから満ち足りて身も心も和らぎ、決して味に執着することはない。思いが満たされればそれらのものは消え去り、望むときにはまた現れる(仏説無量寿経 現代語訳 本願寺出版社)」
と、食べ物や飲み物をとらずとも満たされているとありますから、お仏壇にお水やお茶をお供えをしないこととしています。