お焼香とお線香、どう違うのでしょうか?

お焼香とお線香、まずどちらにも共通して言えるのは、「香りのお供え」ということであります。

このことを「供香(ぐこう)」と言います。

お焼香は、皆さんもご法事や葬儀などに参列したとき一度は経験があるように、法要や儀式などで仏前において炭の入った香炉に抹香で供香することを「焼香」と呼びます。

またお線香は、勤行の有無に関わらず、皆さんも日常の朝夕のお仏壇での礼拝やお墓参りなどでは、よくお線香をお供えになることと思います。

抹香と線香という形の違いはありますが、どちらも供香という作法であり、違いがあるというわけではありません。

大切なことは、なぜお香を焚くのかというその根本を知ることです。

古代よりお香を焚くという行為は、礼拝に際し自分の体臭や自己の汚れを消し、心身やその空間も含め共に清浄なる環境を作り、また隅々までどこまでも行き渡るお香の香りを通して、如来さまの広大なお慈悲と、分け隔てなく人々を救いたいという願いを表現していると言われています。

お香は煙ではなく、香りを供え、その香りから如来さまの心をいただくということが大切です。

またお線香が香炉に入りきらない場合は折っても構いませんので、香炉の幅に合わせて折り、横に寝かせてお供えするようにしましょう。