「私は家のお仏壇にお参りする時は、まず数回カネを鳴らしてからお念仏し、合掌礼拝をしますが、本当はどこで何回鳴らすのが正しいのですか」
と質問されたことがあります。
カネは読経を始める際にまず、2回鳴らします。
そして最後に3回鳴らします。
途中で1回あるいは3回鳴らす場合もあります。
要するに、カネは読経の前後や中間に定められた回数を打ち鳴らすものです。
ですから本来、読経以外の時はむやみやたらに打ち鳴らしてはならないものです。
カネを打つのはお釈迦さまがご在世の頃から、釈尊の説法を聞くときの合図だったといわれます。
現在、ご家庭のお仏壇では鳴り物はリンだけですが、お寺では読経の時に用いるリン以外に、梵鐘・喚鐘等があり、法要などが厳修されることをお知らせする合図として使われます。
お仏壇の前でリンを打ち読経するときは、今まさにお釈迦様が私に法を説いて下さっていると味わいたいものです。
<参考文献>
◎『仏事のイロハ』末本弘然著(本願寺出版社)
◎『門徒もの知り帳』(上・下)野々村智剣著(法蔵館)