焼香は仏事においてはかかせないものであります。
しかし、葬儀、法事、本堂での読経中の焼香を見ていますとそれぞれのやり方になっていて正しい作法が伝わっていないと感じます。
浄土真宗本願寺派においての焼香の作法は、
【1】焼香卓の二・三歩手前で一礼。
【2】前に進んで右手で香をつまみそのまま香炉にくべ、(本堂などでは正座して)
【3】合掌・礼拝、
【4】二・三歩下がって一礼し退出
と決められています。
ここで注意したいのは香をつまんで香炉に入れる際におしいいただかない。
香をつまむのは一回のみです。
又、法事などで香炉をお盆に載せ参列者に焼香をしてもらう回し焼香もありますが、作法も右手で一回香をつまみ、おしいいただかずにそのまま香炉にくべ、合掌・礼拝をして隣の人にまわす。
以上が焼香の正しい作法でありますが、大事なことは焼香をするということは清らかな浄土を思い、さらには誰かと差別することなくいきわたるお香の薫りから如来さまのわけへだてない御慈悲の心に触れさせていただくことにあります。
参考文献
「仏事のイロハ」 末本弘然著 (本願寺出版社)
「門徒もの知り帳」(上・下) 野々村智剣著 (法蔵館)