麓(ふもと)の白川口には、一輛(りょう)の輦(くるま)が待っ…
山(やま)南天(なんてん)の実が赤い。 藪(やぶ)蔭(かげ)…
梢のそういう恵まれた姿を見たばかりではない。 範宴は彼女とわ…
十日ほど、範宴は通った。 そのあいだに、一般の聴法者のあつま…
どこに臥(ふ)し、どこに食を得ていたか、ここ数日の範(はん)…
肩を並べて、二人は歩みだした。 四条の橋を東へ渡りかけて、 …