今日の日は再び来ぬ 尊き一日

 六曜という曜日があります。

よく知られているのは友引・仏滅・大安の三つです。

もともとは中国から伝わってきたものですが、今でも日の善し悪しを言うときの根拠として根強いものがあります。

あなたも、そのようなことが気になったりすることはありませんか?

 その中でもよくいわれるのは、慶び事は仏滅を避ける、そして出来れば大安にするのが良いとか、葬儀を友引にしてはならないとか、そういった冠婚葬祭にかかるもものです。

したがって、特に人生の節目となる結婚や、葬儀などの日取りには、この六曜にこだわる人が多いようです。

 ここで六曜の由来を訪ねてみますと、仏滅は決して不吉な日ではありませんし、友引にも本来「友を引く」という意味もありません。

また本来は物滅・共引と表記していました。

そもそも、明日どころか、少し先のことさえ、この命がどうなるか分からない私たちに、日の善し悪しを言っている余裕などあるのでしょうか。

 「日々是好日」という言葉があります。

自分に許された大切な一日を精一杯生きることが大切であるという心の言葉です。

また来ない明日に心を奪われ、目先の損得に一喜一憂する私たちに、仏教は「何気ない一日が、本当は尊いものだ」と教えてくれています。