平成12年に始まった介護保険法は、サービスの質や利用者の安定が図られてきた平成15年に保険料の改定が行われ、利用者や事業所に多くの混乱を招きました。
また、昨年度は初めての介護法改正が行われ、10月からは前倒しで食費や居住費の自己負担が始まりました。
今年度の4月からは、介護予防サービスや地域密着型サービス、地域包括支援センター等の新サービスが掲げられ、予防重視と地域密着を謳った介護サービスがスタートしました。
個人情報保護法の制定にともない、個人のプライバシーを尊重することも重視され、ほとんどのサービスの契約を行う際は、書類に個人情報保護法遵守する旨の事柄が明記されています。
サービスの質の向上の点から、大規模デイサービスの保険請求の減額やケアマネージャーの作るケアプランも40人以下の人数制限がしかれ、それ以上のプラン作成には減額請求が適用されています。
なお、施設に於いても個室ユニット型のサービス請求額が高く設定されています。
「新サービス」や「質の向上」といえば、聞こえはよいのですが、実際には利用者の自己負担額は万円単位で上がり、その一方事業所の利用料収入は一千万円前後の減収という、またもや利用者・事業所双方が驚くような結果となりました。
そればかりか、サービスを受けたくても受けられない人たちまで出て来るようになりました。
サービスを受けるには、ケアプランが必要になってきますが、軽介護者は作ってもらえません。
事業所維持のため、高介護者のケアプラン作成を事業所が優先せざるを得ないからです。
介護サービスについて、現場の状況を十分に把握することなく、机の上で作成したとしか思えない厚生労働省のツケが、利用者にそのしわよせを押しつけるようになってきまた昨今です。