毎年十一月の二十二日・二十三日の二日間は、京都の本願寺に於いて秋の法要(全国門徒総追悼法要)が行われます。今年一年間に亡くなられたご門徒の方々を偲びつつ、様々なご縁で仏法に遇うことのできた喜びを分かち合う法要です。
総御堂でのお勤めには阿弥陀経作法第二種が依用され、大金や経切り太鼓、節析が鳴り響いて、それはそれは迫力のある法要です。法要後も御門主様の御親教(御法話)、布教大会や仏教讃歌の演奏会が催されたり、白州では本願寺献菊展やパネル展示があり、二日間にぎやかにお念仏の声が響き渡ります。
今年の秋の法要も、総御堂とはいえ満堂の中でにぎにぎしく執り行われました。御影堂修復の方も素屋根がほとんど取り外されて、真新しい綺麗な屋根瓦を拝見することもできました。御堂の裏手にある百華園では親鸞聖人七百五十回大遠忌に向けての準備がちゃくちゃくと進められており、大勢の人が百華園を見学できるように真実閣の移動が行われていました。
真実閣と言いうのは、別名「内道場」とも言われ、御門主様のお内仏のことです。蓮如上人の頃から境内の奥にお内仏を設けていたという記録が残っていますが、現在の内道場は、今から二百三十年ほど前に大阪十二日講の寄進によって建てられたものだそうです。真実閣の隣りに日本最古の蹴鞠場があり、桜、紅葉、柳、松の四つの木が四季折々に美しい花や葉を見せてくれていましたが、移動により伐採されたのが残念です。