「家風」

 家風に合うとか合わないとか、この言葉は旧体制の遺物みたいに思われますが、今日でもなお生きているように窺えます。

一般には、一家庭の生活様式ないしその家の習わしを指していいます。

 ところが、禅宗では「臨済の家風」というように、古来より、各師家(しけ)が採る宗旨の表現方法あるいは弟子の指導の仕方を指して家風といいます。

この方法は師から弟子へと自ら伝わって、各系統の宗風、各門流の門風を形成することになり、その意味でも家風という言葉は使われます。

これは単なる宗風とは違って、錬磨された者のみが自らそなえ、また継承することの出来る一風格のことで、単なる型の固執ではありません。