お仏飯をあげることは、インドでお釈迦さまに食事をささげたことから始まります。
伝えられるところでは、お釈迦さまは一日一食で、それも午前中にすまされたとのことです。
この故事にちなんで、いまでも朝のうちにお仏飯をお供えします。
また、お仏飯を朝おあげして午後には下げるというのは、戒律生活の比丘(僧侶)の食生活
「斎(とき)」
にならったもので、比丘は朝・昼の二回で、午後は食事をしないことから、午前中に下げてしまうということが習慣化したようです。
ただし、お仏飯は仏さまに食べて頂くという意味でお供えしているのではなく、お荘厳(しょうごん)として受け止め、日常の給仕に欠かせないものとして供えます。
お荘厳という広い意味を持った仏教の言葉をひとくちにいうのは難しいのですが、ここでは要するに
「お飾り」
と理解して頂けるとよろしいかと思われます。
つまり、仏さまの国
「浄土」
をしのんで、美しくお飾りをするに際して、伝統的にお仏飯をあげる形が伝えられてきたという訳です。
なお、お仏飯は、仏さまのお給仕をしていく上での大切なつとめです。
したがって、仏さまが実際に召し上がる訳ではなく、またそのおさがりは仏さまの
「食べ残し」
などではありません。
したがって、残飯扱いをしてゴミ捨てなどに捨てたりすることのないようにしましょう。
伝統的には、お昼頃までに下げてきましたが、お仕事に行かれたりして夕方でないと下げることが出来ないようであれば、朝のお参りがすんだらすぐに下げて、おさがりとして召し上がっても良いように思われます。