『仏の言葉は 時代をこえて ひびく』

仏の言葉とは、真理に目覚めた方の言葉ということです。

つまり、自然にあるそのままの姿をありのままに見ることの出来る智慧を持つ方の言葉ということです。

例えば

「諸行無常」

という仏語(真理)があります。

これは、あなたもわたしもすべてのものが変化していくということです。

お釈迦さまの時代の人も平成の今を生きる人も、また日本の人であっても遠い外国の人であっても、さらに人だけでなくこの世界の万物が移り変わっていく存在としてあるということです。

お釈迦さまがすべてを捨てて出家されるきっかけとなったのが、老・病・死という

「無常」

の現実との出遇いであったといわれています。

老・病・死は、現代に生きる私たちにとっても、自ら引き受けていかねばならない厳しい現実です。

いかに科学が進んで、ものが豊かで便利になっても、年を取らない人はいません、どれほど医学が進歩しても病はなくなりません。

また、いくら長寿社会になっても、ひとりとして死を免れることも出来ないのです。

ところが、私たちはこの真実になかなか気付き得ません。

自分の老・病・死を認めたくありませんし、それどころか何かにすがることによって、何とかなるのではないかとして、仏さまや神さまにすがりつく人も少なくはないようです。

私たちは、この

「無常」

という厳しい

「いのちの現実」

に気付き、目覚めていくことが大切なのです。

仏の言葉は時代をこえて、わたしを真実の世界へと呼び覚まします。

そこに道を求める心も生まれます。

さらに、仏の言葉は私の進むべき道(救い)を明らかにして下さいます。

だからこそ、わたしのいのちに語りかける仏の声は、いつの時代でも人々のこころに響いてくるのです。