一般に、ご門徒の方々のご家庭のお仏壇の中には、中央に阿弥陀さま(仏さま)が安置されていますが、その両脇にはお坊さんが向かい合って座っておられます。
この両脇のお坊さんは、いったいどなたなのか、ご存じでしょうか?
向かって右側に座っておられる方は、浄土真宗の宗祖親鸞聖人です。
また、向かって左側に座っておられる方は、本願寺八代目のご門主蓮如上人です。
親鸞聖人は、浄土真宗の開祖で平安末期(1173年)から鎌倉初期(1263年)を生きられた方ですが、では八代目ご門主蓮如上人はとはどのような方だったのでしょうか。
蓮如上人は、親鸞聖人が往生されて二百年程過ぎた後、室町時代に活躍された方です。
同時期には、とんち話で有名な一休さんがおられますが、蓮如上人と親交のあったことが伝えられています。
蓮如上人は、
『御文章』
と呼ばれる多くのお手紙を各地のご門徒に書かれ、その中で親鸞聖人のみ教えを平易に伝えることに意を注がれました。
また、真宗教団内で説かれていた異義を正され、親鸞聖人のみ教えが日本各地に広まる礎を築かれました。
このため、浄土真宗の
「中興の祖」
と呼ばれています。
お二人は、阿弥陀さまの両脇で共に向かい合っておられますが、これはそれぞれに九十年(親鸞聖人)、八十五年(蓮如上人)のご生涯を通して、お念仏のみ教え説き弘め、お勧めくださったことを表すものです。
したがって、私たちはそのお姿を通して、お二人のご苦労を忍びつつ、感謝の思いで阿弥陀さまに手を合わせ、声高らかにお念仏申したいものです。
なお、阿弥陀さまのかわりに
「六字名号(南無阿弥陀仏)」、
親鸞聖人のかわりに
「十字名号(帰命盡十方無碍光如来)」、
蓮如上人のかわりに
「九字名号(南無不可思議光如来)」
の名号を安置する場合もあります。