仏壇を購入したら、御本尊様をついてきました。そのまま拝んでも良いですか?

 お仏壇を購入された際に、仏壇店にて御本尊も一緒に求められる方がいらっしゃいますが、御本尊は仏壇店で求めるのではなく、ご本山からお受けします。

 仏壇を購入する際にはその旨を仏壇店に告げ、同時に、購入したお仏壇に合う御本尊の大きさを尋ねるとよいでしょう。

 御本尊の大きさは

 「三十代」とか

 「五十代」

 というように代(だい)で表わします。

 実は、お仏壇は元来、御本尊のこうした大きさに合わせて造られてあるもので、

 「三十代のお仏壇」

 というように言い、これは

 「三十代のご本尊」

 用のお仏壇だということです。

 ご本尊の大きさがわかればその旨をお手次のお寺に伝え、そちらを通してご本山からお受けすることとなります。

 なお、冥加金など詳しいことはご住職にお尋ね下さい。

 ちなみに御本尊には、木像・絵像・名号の三つのお姿があります。

 いずれも阿弥陀如来さまの真実の智慧と慈悲が、私のために形となって現れてくださったお姿であり、お掛け軸の裏に

 「方便法身の尊形」

 という言葉が書かれているのはそのような意味からであります。

木像・絵像のお姿はその右手に召喚のお心、

「真実の世界にかえってこいよ」

 という願いを表わし、その左手は摂取のお心、

 「どんなことがあっても必ず救いとるぞ」

 との願いが込められています。

 ですから単なるお姿ではなく、阿弥陀如来さまの願いとはたらきを表わしています。

また名号(南無阿弥陀仏)も、

「この私にまかせよ(南無)、必ず救う(阿弥陀仏)」

という阿弥陀如来さまの尊いお心表わしています。

形になって現れてくださったお姿を通して、その阿弥陀如来さまの信(まこと)のお心をいただき、そのお徳を讃え、感謝のお念仏(南無阿弥陀仏)を称える身とならせていただく事が大切であります。

なお、木像の御本尊の場合には、前述いたしましたようなお姿をされているかという

「木仏点検」

を本山で受けなければなりません。

そのような事もあり、ご家庭においては絵像・名号の阿弥陀如来さまが一般的ですが、いずれにせよ安易に仏壇店などで求めるのではなく、お手次のお寺に御相談の上、必ず本山からお受けになり、入仏法要(ご本尊をおむかえする時のご法事)などを通して、しっかりとおいわれを聞かせていただくようにしましょう。