『お・ね・ん・ぶ・つ』

新しい年を迎え、新年を新たな気持ちを持ち、今年の抱負や目標をすでにたてられた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

また、昨年を振り返りながら

「今年は、○○といったことをしていこう!」

と、考えている方もいるかもしれませんね。

さて、昨年を少し振り返ってみますと、毎年年末になると、その年によく耳にしたり口にした『流行語』がユーキャンから発表されます。

2013年は、なんと過去に前例のない4語が同時に大賞を受賞しました。

皆さんも記憶に新しいのではないでしょうか?

今までは多くても2語しか大賞を受賞してこなかったのが、2013年は4語も受賞したということは、それだけ口にする流行語の種類が多く、どれも印象が強かった、と言えるのではないかと思います。

改めて紹介すると、2013年の流行語大賞には、『今でしょ!』『じぇ・じぇ・じぇ』『倍返し』、そして『お・も・て・な・し』の4語が選ばれました。

私が最後に紹介した、『お・も・て・な・し』ですが、これは今回招致に成功した2020年に開催されるのオリンピックの東京への招致活動の最終プレゼンで、日本社会に根付く歓待の精神を日本語で紹介した滝川クリステルさんの言葉です。

詳しく説明をしなくても、皆さんよくご存じの言葉で、そのフリ付けもイメージできるかと思います。

左手で言葉をつまむようにして、一語ずつ

「お・も・て・な・し」

と横にずらしていき、最後に

「おもてなし」

と言いながら合掌して礼をするという動作で、言葉もさることながら、この動作もいろんな人が真似をしている姿を実際によく目にしました。

実はこの動作を真似して、言葉をアレンジしたものをお寺でみる機会があり、その姿が大変印象に残ったことがよく思い出されます。

どういうものかというと、幼児が親御さんと一緒に、お寺でお参りをするときに、親御さんがどうにかして仏前で合掌礼拝を子どもにさせるために作ったものでした。

『ほら、教えたでしょ、○○ちゃん』と言って、『お・ね・ん・ぶ・つ、なんまんだー』だよ、と言って滝川クリステルさんの動作の真似をして、

「なんまんだー」

のところで、合掌礼拝を仏前でするわけです。

子どもも喜びながら、

「なんまんだー」

と親御さんと一緒に礼拝する姿をみて、おもしろい教え方だけど、お念仏をこんなふうに喜んでいらっしゃるんだなぁ、と感心させられました。

あまりにも印象に残ったので、私にとって

「お・も・て・な・し」

は、『お・ね・ん・ぶ・つ』になってしまったのでした(笑)。

今年もお念仏を喜びながら、尊い一年を過ごしてまいりたいと思います。

なんまんだー。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。