仏壇にお供えするお花を仏花(ぶっか)といいます。
仏花について、私がお聞かせ頂いた限りでは、厳密なルールはないとされており、季節ごとのお花をお飾りするのが良いとお聞きしております。
従いまして、それぞれの家庭の中でその時に用意できる季節のお花をお供えして頂ければ宜しいかと思います。
ですが、季節ごとの花をお店で購入する場合、費用の面で負担が大きくなることもあるかと思います。
そんな時はご自宅の庭などに目を向けてください。
そこにはたくましく自生しているお花があるのではないかと思います。
そのお花を一部使わせて頂くのが良いのではないかと思います。
私の預からせて頂いているお寺では、境内に自生しているお花がいくつかあり、そのお花を仏花としてお飾りさせて頂いております。
冬は梅、千両、春は樒、ストレッチャー、イブキ、夏はソテツ、万両、蓮、秋は菊、コスモスなどです。
自生しているお花は咲いている姿がきれいなだけではなく、咲いて枯れてを繰り返す、いのちの営みを教えてくれるとても有難いものではないかと思います。
仏教の大切な教えの一つに「諸行無常」という教説があります。
その内容は「あらゆるものは常に変化してとどまることなく、生じたものは必ず滅する」というお示しです。
お仏壇にお供えしている花も、自然界に自生している花もその姿は永遠ではありません、時間ともにしおれていき、やがて枯れていきます。
私たちのいのちもそうであるやもしれません。
この世に生を受け、時間とともに歳をとっていき、やがてこの世との縁を尽きていく道なのかもしれません。
しかし、そうであったとしても決してそこで終わりではありません。
花は枯れても次の年になれば、またその花を咲かせる営みがあるように、いのちは花を咲かせ続けるのではないかと思います。
その営みの相から私たちのいのちもまた必ずお浄土に生まれ、仏様と成らせて頂くいのちと味わう事ができるのではないでしょうか。
そのことを思いながら季節の花をめで、その花をお仏壇にお供えさせていただく、大変に有難い営みとなっていくのではないかと思います。
最後に、仏花は出来れば生花の方が望ましいですが、様々な事情により生花が難しい場合もあると思います。
その時は、造花によるお飾りをして頂ければと思います。
また、季節ごとの花についてお聞きした代表的なものをあげさせて頂きます。
合掌。
- 1月 松
- 2月 梅
- 3月 桃
- 4月 桜
- 5月 菖蒲
- 6月 紫陽花
- 7月 檜扇
- 8月 蓮
- 9月 ススキ
- 10月 菊
- 11月 シクラメン
- 12月 水仙