欲しい~ランニング小咄

『仏説無量寿経』というお経の中に、次のような言葉があります。

「田があれば田に悩み、家があれば家に悩む。牛馬などの家畜類や、金銭・財産・衣食・家財道具、さては使用人にいたるまで、あればあるにつけて憂いはつきない。

また、田がなければ田をほしいと悩み、家がなければ家をほしいと悩む。牛馬などの家畜類や、金銭・財産・衣食・家財道具、さては使用人にいたるまで、なければないにつけて、またそれらをほしいと思い悩む。」

あればあったで悩みはあるし、なければないで欲しいと悩む・・・。お経をおつとめするたびに、私自身のことだと身につまされることです。

趣味でランニングをしているのですが、今履いているシューズは、まだまだ使用できる状態です。しかし、最近マラソン界を賑わせているピンク色のシューズをみるたびに、

“履き心地はどうなのか、足への負担が減るかも、今より早く走れるかも”と気になって気になって仕方がありません。

また、スポーツ用品店に行くと、自分が持っていないランニング用品を見るたびに、「欲しい欲しい」と思ってしまいます。

現状のランニングに不満があるかと言えば、そうでもないのですが、マラソンや駅伝が放映されているのを見ると、多くの選手が履いているピンク色が気になり、お店に行くとあれこれ欲しいと思う私です。

今のところは、欲しいと思うだけで手に入れてはいないのですが、手に入れたとしても満足するのは一瞬で、きっと色々と別な欲が湧いてくるのだろうと思います。

同じ『仏説無量寿経』には、「小欲知足」という言葉があります。欲を少なくして足るを知るという意味です。

“現状で足りていることを大切にする”と自分に言い聞かせつつも、やめられない私もここにいます。

自らの欲望に振り回されすぎず、〝たしなむ心”を心がけていきたい、実践していきたいと思うことです。

【確認事項】このページは、鹿児島教区の若手僧侶が「日頃考えていることやご門徒の方々にお伝えしたいことを発表する場がほしい」との要望を受けて鹿児島教区懇談会が提供しているスペースです。したがって、掲載内容がそのまま鹿児島教区懇談会の総意ではないことを付記しておきます。