そもそも打敷とは何か、初めて聞いたという方もいらっしゃるかと思います。まず打敷とは、法要時に供物を供えるときにかける装飾布を言います。正方形または菱形の布を、卓の正面に角が来るようにかけるのが正式であり、背面を略した三角形の布を前面に垂らすことも良いとされています(法式規範より)。
また、打敷の由来について、お釈迦様の時代までさかのぼります。お釈迦様が説法をする際にその当時は、野外で行われることが一般的でした。お釈迦様は石などの高座にてお話をしていましたが、それを見ていたお弟子さんが偲びなくて自身の着ている衣服をお釈迦様の高座に敷いたことから始まったといわれています。
つまるところ、打敷は仏の教えに対する敬意、感謝の現れの一つと言えるかもしれません。ですので表題の件につきまして、ご家庭の仏壇に打敷があればとても有難いです。しかし、打敷がないと法要・法事が出来ないかと問われるとそうではありません。
打敷について興味のある方はお仏壇屋さんに寄った際に、店員さんに聞いてみるのもいいかもしれません。今は様々な打敷があります、色鮮やかでとてもきれいです。もし気に入った打敷があれば、家の仏壇にとご準備いただければ有難いことです。
また、打敷は汚れてしまうと洗うことが難しく、常時仏壇に飾っておくのはもったいないかもしれません。少し面倒かもしれませんが、平時はおしまい頂き、お彼岸、永代経、報恩講、祥月命日など特別な法要の際にお飾り頂ければ有難いことです。